愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『脳の強化書2』加藤俊徳

 

アタマがどんどん元気になる! ! もっと脳の強化書2

アタマがどんどん元気になる! ! もっと脳の強化書2

 

 

 

やはり頭を良くしたい、と言う願いは常にあります。

なぜなら、自分が十分に頭通と思えないからです。

そんなわけで、脳の教科書の続編である、2も読んでみました。

 

脳にはしたいと言う欲求と、したくないと言う欲求があります。

したくない場合は、過去に苦痛や不快を感じたことがあった、もしくは自分の脳が未熟なパーツを使うことのどちらかが理由になっています。

これを認識しておくと、したくないことでもしたいことに近づけられて、脳を強化することができそうです。

 

脳の一部である超前頭野というところは、85歳まで成長し、実行力や判断力に関わっています。つまり、ここを強化していけば、かなり高齢になっても成長が可能です。

 

では、具体的な方法に入ってきます。

一カ月に1日だけ、何をしても良いと言う日を作る。

自分が16歳だと思う。そして、先入観を持たずに何にでもチャレンジしてみる。

準備をするのに時間をかける。

カフェで1人の時間を作る。

自分のしたいことを10個あげる。

5人以上の知らない人と会話をする。

家族行事を増やす。

相手のことをよく見て観察する。

旧友と新しい経験をする。

お米をよく味わって食べる。

入浴や歯磨きなどにタイムリミットを設ける。

左手を使って何かする。箸で豆をつまむなど。

全く別のジャンルの映画を見る。

誰かに贈り物をする。

気持ちを落ちつかせて1から10まで数える。

妻のどこが好きかを考える。

自転車にゆっくり乗る。

漢字を音読する。

 

今回も、かなり具体的なやり方が書いてあります。そして、意識してやってみようとさえすれば、決して難しくなく実現可能な方法です。

どれも脳を強化できることでもあり、ひょっとしたら新しい刺激を受けて、楽しめることなのではないかと言う気がします。

楽しんで実行出来る人にとっては、とても良い本になるはずです。

 

 

 

 

 

 

『タクシードライバーほど面白い商売はない』中嶋浩

 

タクシードライバーほど面白い商売はない

タクシードライバーほど面白い商売はない

 

 

 

著者は予備校で働いていましたが、ある時急にリストラされることになります。

そこで、年齢制限がなく、人生経験を生かし、ある程度の収入を得ながら、体力を使わずに、80代までも働くことが可能な職業につきます。

タクシードライバーです。

 

もともと予備校の先生をやっていた著者は、よく考える癖がついているようで、タクシードライバーとしても考えて工夫して仕事をして行きます。

また、仕事だけでなく、健康にもかなり気を使います。タクシードライバーという仕事で損ねやすい部分にしっかり気を使います。

 

資格が必要な職業ですが、大抵は職場で取らさせてもらえるようです。

また、取れるまでにお給料も貰えます。

しかし何度も落ちてしまうと流石に気まずいので、しっかり資格を取れるように勉強したいところです。

 

実際に仕事を始めても、工夫は続きます。

自分の得意なエリアを作ったり、客待ちのタクシーの列には並ばないようにしたりします。

さらには、良くお客さんを乗せられる日とそうでない日のギャップにも一喜一憂しないように、自身を戒めたりもします。

これくらいやっておけば、平常心で勤務して、穏やかに日々を送っていけそうです。

 

お客さんとの会話集も掲載されています。

著者は聞上手なようで、様々なお客さんが色々な話をしてくれます。

タクシードライバーには、自分の話をする人と、相手の話を聞く人がいます。

様々な職業の人から語られる、まさに多様なエピソードを見ると、聞上手に徹した方がタクシードライバーをする場合は楽しく出来そうに感じます。

 

リストラをされて困っている人は、これを読んでから、タクシー会社の採用面接を受けに行くと良いかも知れませんね。

『山登りはじめました』鈴木ともこ

 

山登りはじめました めざせ!富士山編

山登りはじめました めざせ!富士山編

 

 

 

山登り初心者の著者が、同じく初心者のお友達と三人で高尾山に登ることから、物語は始まります。

もともとはロープウェイで山中にあるビヤガーデンに行くのが目的で、おまけでちょっと上にある山頂まで登って、その楽しさにハマって行きます。

ハマる大きな一因が、その時に出会った女性の言葉です。

 

尾瀬で見た星空が忘れられない

 

これです。

読んでいるだけでも、行ってみたくなります。

 

次は木曽駒ヶ岳です。

日本で一番高い駅が、駒ヶ岳ロープウェイにあります。

千畳敷カールと呼ばれる場所で、『アルプスの少女ハイジ』の舞台のような場所です。

ここで著者は、雲の上を歩く、という体験をします。

 

次に、日本一空に近い温泉を目指します。

立山黒部アルペンルートにあるため、温泉、立山登山黒部ダムという、盛りだくさんのツアーを組みます。

越中立山は、加賀の白山、駿河の富士山と並んで日本三霊山1つである、いわゆるパワースポットです。

岩がたくさんあるところは登ったり、人によっては手を使わないとのぼれない所があったりして、本格的な登山になりそうです。

 

そして、尾瀬です。

尾瀬ヶ原の湿原、燧ヶ岳、至仏山尾瀬沼などが、あります。

絵や写真に良く出てくる景色が広がっていてとても綺麗です。

雲が多くて星空が見えなかったのですが、また来ようと言う気持ちになりました。

また、季節によって景色が違うので、それも再訪すると言う動機付けになります。

 

ご両親と一緒に、鎌倉アルプスへ行きます。

こちらは高さが159メートル、富士山の4.2%の高さしかありません。

山登りの良さは、人や体力に合わせて山を選べるというところもあるのかもしれません。

 

さて、いよいよ富士山に登ります。

 山は天候や季節によって、大変さがかなり異なるようです。

富士山は有名なので、登山の初心者がかなりの軽装、例えば半袖にスニーカーなどで来ることもあるそうです。

しかし、急な雨が降ったりして散々な目に合う人もいます。

トレッキングシューズ、レインウエア、ストック(杖)、など、万全な装備で臨むと良いでしょう。

登頂できた人は50%と言われますが、準備を万全にして望んだ人とそうでない人とは、登頂できるかどうかにかなりの違いがありそうです。

そこで著者は登頂できるようにいつでも作戦を立てます。

1.五合目に1時間以上滞在して体をならす

2.はやる気持ちを我慢してゆっくり歩く

3.なるべく低い山小屋に泊まる

4.山頂からのご来光にこだわらない

5.足に負担の少ないコースで下山する

それぞれいろいろ理由はありますが、無理せず焦らず疲れない、というのが良さそうです。

 

雷が横や下から来たり、山頂に富士銀座と呼ばれる商店街のような物があったり、下山の際には一歩一歩滑り降りるようなコースがあったりと、イメージを超える部分がたくさんあります。

 

山登りは、手を離したら奈落の底に落ちてしまい、発見すら中々してもらえないような場所もあります。

何時間もひたすら歩き続けたり、普段見られない風景を見たり空気を吸ったり。

著者は登山から帰って来ると、スッキリして穏やかな気持ちになっているそうです。

そして、毎日生きているという実感が強くなったそうです。

 

登山に必要な知識が多く得られ、楽しさも伝わって来る内容です。

登山初心者は必読の本かも知れません。

料理の才能、あったかも

今週のお題「ひんやり飯」

 

 

貧乏大学生だった頃、何気なくテレビを見ていると、料理番組をやっていました。

 

当時私の主食は、アパートの真ん前にあるスーパーの半額弁当でした。

地の利を生かして、丁度良い時間帯に買いに行っていたのです。

または、バイト先である居酒屋のまかないであったり、大学近くの安さと量が取り柄の定食屋さんであったり、でした。

自炊が安く済むのでしょうけど、ものぐさなのか料理が好きでは無いのか、得意料理はカップラーメンもしくはカップ焼きそばと言う残念な食生活を送っていました。

 

そんなある時に何気なく見た料理番組では、キャベツ丼というメニューを作っていました。

①新鮮なキャベツを切って、ゴハンの上に乗せる。

②お好みでマヨネーズをかける。

以上で完成。

料理と読んで良いのか甚だ疑問ですが、私が作るには丁度良い手順でした。

その日の夕食に、早速作ってみました。

 

新鮮で冷たいキャベツのシャキシャキとした触感と、ふっくらとしたご飯がマッチしていて、とても美味しかったです。

そこから眠っていた料理魂に火がつく!

・・・ことも無く、いつしかまた半額弁当、まかない、定食のローテーションに戻ってしまったのですけどね。

 

いつかあの味を、奥さんや娘にも味あわせてあげたい気持ちはあるのですが、なかなか勇気のいる料理なので、言い出せないでいます。

 

『決定版中国語古典ジョーク集』駒田信二 王敏

 

決定版 中国古典ジョーク集 (じっぴコンパクト)

決定版 中国古典ジョーク集 (じっぴコンパクト)

 

 

 

中国ではジョークのことを笑う話と書いて、笑話というそうです。

これらの話には、我々が現在使っている言葉にもいくつかあります。

助長

苗がなかなか成長しないので、1本1本ひき伸ばした男。

後で畑行ってみると、苗はすっかり枯れてしまっていました。

 

矛盾

盾と矛を売っていた男。

この盾は頑丈で、どんなものでもこれを貫くことができない。

こちらの鉾は鋭利で、どんなものでもこれで貫けないものはない。

それを聞いていた者が、じゃぁその鉾でその盾を貫こうとしたらどうなるんだい?

 

朝三暮四

飼っている猿の食料を減らそうとして、これからお前たちにあるどんぐりを朝3つ暮は4つにするがどうだい?

猿たちは一斉に怒り始めました。

では、お前たちにやるどんぐりを朝は4つ暮は3つと言うことにしよう、それなら良いかい?

猿たちは一斉に喜びました

 

有名な言葉として残っていないお話でも、面白いものがたくさんあります。

袋の中に隠れているが、何が入っているんだろう?と言われて、米でございます、と答えてしまう男。

石につまずいて転び起き上がってすぐにまた転んで、こんなことなら起きるんじゃなかった、と言う男。

落語の饅頭怖いのように、怖がるふりをして饅頭をせしめ、その後はお茶が怖いと言う男。

 

中国でも漢字を使うので、漢字がらみのお話もあります。

女3人で姦と言う漢字にしたり、女と子供で好きという漢字にしたり。

川と言う事しか知らない男が、三と言う字を見つけて、こんなところに寝転んでいやがったと言ったり。

 

川に落ちて溺れかかっている男が息子に、銀3分以上なら助けてもらうな、と命令。

靴下を履かずに足を傷つけた男が、靴下を履いて来なくてよかったと言う、履いてきたら破れているところだった、と。

この辺は、落語の登場人物として何となく出てきそうです。

 

様々な国で、ジョークがあります。

お隣の中国は、漢字であったり宗教であったりが日本と近いので、違和感なく楽しめる気がします。

短い話がたくさんなので、軽くたくさん笑いたい人にオススメです。

 

『北斗の拳ラオウ伝説』

 

 

北斗の拳 ラオウ伝説

北斗の拳 ラオウ伝説

 

 

北斗の拳

ある世代の男子(おそらくもうおじさん)にとっては、必須の漫画であろう。

漫画だけでなく、パチスロやパチンコでも大人気になったので、さらに幅広いファン層を獲得しているはずである。

北斗神拳という拳法を駆使して戦うケンシロウが主人公の物語である。

 

一子相伝の拳法である北斗神拳を伝承するために、4人の兄弟が修行します。

すなわち、ラオウ、トキ、ジャギ、ケンシロウです。

修行の末、ケンシロウ北斗神拳を伝承することになります。

伝承者に選ばれなかったラオウは、北斗神拳を捨てずに覇王となることを選びます。

自らの力により多くの配下を率いるようになり、また様々な流派の拳法を取り入れ、どんどん強くなって行きます。

 

戦いでは、数々の信じられないような 技や力を見せつけます。

指一本で相手を持ち上げたり、 3日後に全身から血を吹き出して死亡すると言う秘孔をついたり、手刀で相手の頭と体を切り離したり、10メートル近く相手の体を吹き飛ばしたり。

拳王の名にふさわしい戦いっぷりです。

 

ただ強いだけではありません。

実の弟であるトキを何度も助けたり、その病に涙したり。

無法な部下をきっちり始末したり、フドウとの戦いの時に間違ったことをした部下に激しく怒ったり、自らの美学を持って行動しています。

かと思えば、ユリアには一直線の愛情を示しますが、恋は思う様に行きません。

その辺りもラオウの魅力のようです。

 

愛馬である黒王号の査定があったり、ビジネスシーンにおける北斗の拳があったりと、盛りだくさんの内容です。

 

ラオウファンの皆さんには必読の本です。

また北斗の拳を知らなかった人には、こんなに魅力的な敵役であるラオウの話は、導入としても良いはずで、とてもオススメです。

 

 

『必修すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』ドリヤス工場

 

 

 

  3冊売れているシリーズのうちの1冊です。

ほぼ必須と考えられる文学作品を、大体10ページ位の漫画にまとめてくれています。

 

必修と言うだけあって、とても有名な作品が並びます。

芥川龍之介蜘蛛の糸』、『トロッコ』。福沢諭吉の『学問のすすめ』、夏目漱石の『吾輩は猫である』、森鴎外の『山椒大夫』、魯迅の『狂人日記』、坂口安吾の『堕落論』、宮沢賢治の『風の又三郎』、オルコットの『若草物語』、太宰治の『富岳百景』、ツルゲーネフの『初恋』、マルクス/エンゲルスの『共産党宣言』、江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』、新海南吉の『手袋を買いに』、折口信夫の『死者の書』などです。

 

 3シリーズどれも有名な話ばかりなのですが、本書は実際に教科書で読んで知っている話が多いです。

国語であったり物語があまり好きでない子にも、楽しめる内容だと思われます。

そんな子たちがこの漫画を読んで、本の面白さに目覚めてくれると良いかもしれませんね。