愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『おじいさんは山へ金儲けに』村上龍

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小説家の村上龍さんが、投資について書いた本です。

絵は、はまのゆかさん。

有名な昔話を元にして書かれたお話に、金融マンの山崎元さんが解説を加えています。

 

かちかち山。

勉強や就職や、場合によっては恋愛や結婚も投資として捉えることができるのではないか、というお話。

 

桃太郎。

投資をするさいに判断するのは、将来の価値と現在の価値の比較である。

 

浦島太郎。

投資したお金は、企業が活動するために使われる。つまり、投資がされるかされないかで企業の活動内容が変わる。

 

一寸法師

自分が納得できることに投資するのが良い。よくわからない投資は、見送っても損にはならない。

 

さるかに合戦。

リスクは存在する。投資による結果には不確実性があり、これを数量的に捉えたものをリスクという。

大まかでも見当をつけて投資をする決定するのが良い。

 

わらしべ長者

リターンを多く取るにはリスクを取らなければならない。

しかし、常にハイリスクがハイリターンというわけではない。

 

花咲じいさん。

個人個人で、資産やその必要量は異なる。

 

舌切りすずめ。

投資対象を分散してリスクを減らすことは大事。

有望な投資対象へは多く投資をする。

全体で損得を考える。

 

鶴の恩返し。

主に手数料と税金である、コストは運用商品を評価するのにかなり重要である。

 

かぐや姫

投資家自身の過去の行動に影響されないようにする。

純粋に将来の予測で行動を決める。

 

笠地蔵。

お金はとても大切なもの。

ただし、幸せになるための手段に過ぎない。

 

これから投資をしようと考えている人、投資をしているがそこまで詳しくない人におすすめです。

『うたがいの神様』千原ジュニア

 

 

 

何事も深く考えずに、鵜呑みにしてはいけません。意外に世の中には、おかしな事が普通にまかり通っています。

 

著者は、こどもの頃からしっかりと疑うという考え方をしていました。

小学生が集めているプロ野球カード。

「おっさんの写真集めて何がおもろいねん!」

 

食前は食後

朝ごはんを食べ終わった時間は、昼ごはん前でもある。

 

珈琲好きは珈琲嫌い

好きで美味しい珈琲にこだわると、缶コーヒーなんかは好きでは無くなる。

 

割り勘する男より、割り勘された女を恥じるべし

男がケチというよりは、気に入られずに割り勘にされた、という事かも知れない。

 

何も考えずに受け入れてしまったら、せっかく世界のあちらこちらに散りばめられてある、おかしな事を見逃してしまいます。

著者の千原ジュニアはお笑い芸人なので、それを笑いというものにして行きます。

人によって、仕事のヒントにしたり、知人との話題にしたり、子どもの教育にしたり、SNSのネタにしたりと、様々に方向は異なりますが、有効活用出来るはずです。

 

しかし本書は、肩肘を張らずに楽しみながら読みたい人に、ふさわしい気がします。

 

 

『バカとつきあうな』堀江貴文 西野亮廣

 

バカとつき合うな

バカとつき合うな

 

 

 

本書の最後に堀江貴文さんと西野亮廣さん自身も、自分はバカだと書いています。

バカにも種類があるようです。

本書で、つきあわない方が良い、と紹介されているのは困ったバカの事のようです。

 

バカばっかりの環境に居続けるバカ

環境は選べます。情報を集めて想像力を養えば、それは可能です。

人と同じことをやりたがるバカ

みんなと違うことをやった方が勝ちやすいです。ブルーオーシャンを目指しましょう。

我慢を美德にしたがるバカ

我慢することが良い事だというのは、間違いです。ストレスは体に悪い。さらにそれを他人に強要するのは、最悪です。

自分の常識を平気で振りかざすバカ

狭い常識にとらわれないように。それが正しいかを考えよう。そんな物で感情的にならないように。

付き合いを強要するバカ

付き合えという時点で、人が集まっていなそう。自分が行きたいところへ行き、やりたい事をするべき。

無自覚に人の時間を奪うバカ

電話。他人の時間に割り込みをするツール。サラリーマンにとっての勤務時間とは、企業に奪われた時間。とくに相手の時間を差し出せというような相手は、無視した方が良い。

孤独を怖がるバカ

人間関係は勝手の広がるもの。そして、常に変わり続ける。

 

最後に西野亮廣堀江貴文について

先のことを考えず、自分がやりたい事はとにかくやるバカ。

生まれながらのファーストペンギンというバカ。

 

本書はバカのことをたくさん書いていますが、完全に突き放してはいないように感じます。

バカなやつ自身やバカな考えに囚われずに楽しく生きようぜ、みたいな、優しくて元気なメッセージを受け取れます。

 

読後にはやる気が満ちてくる感覚があります。

行き詰まっていたり、悩んで行動に移せない人は、是非本書を読んでみるべきです。

行動する人が増えることが、著者の望みなのだと感じます。

 

『1年で100個の願いを叶える』

 

1年で100個の願いを叶える 心地良く満たされた日々のつくりかた

1年で100個の願いを叶える 心地良く満たされた日々のつくりかた

 

 

 

願いが叶ったら、それは幸せなことですよね。

本書では、たくさん願いを叶えて幸せに暮らす、という事をすすめています。

 

自分が欲しい幸せとはどんなものかを考えましょう。他人との比較ではなく、社会の基準で作られたものでもありません。

大きすぎる夢も持たなくて良いです。無理にそれを掲げると、ストレスになってしまうからです。

嬉しかったことや幸せなことは、手帳に書くと忘れにくいです。せっかくのことは、忘れずにいたいですよね。

夢が見つからない場合は、自分が望むことを考えると良い場合があります。

 

願い事は3つのカテゴリーにわけられます。

欲しいもの

やりたいこと

誰かを幸せにするためのもの

以上です。

それぞれを具体的に考えて書きます。

 

季節毎に書いたり、楽に・楽しく・格安で、などのポジティブなワードをトッピングするのも良いです。

完了系かつ肯定系にすると、願い事が叶いやすいです。

そして考えと行動と結果を一致させ、思い通りの現実につながります。そうやって、願い、一歩踏み出し、叶う、というサイクルが形成されて行きます。

 

なかなか願いが叶わないという事もあり得ます。

そんな時は、月別に願いを書きます。

一月は人間関係、三月は新年度の準備、四月は能力を伸ばす、八月は体調管理、十一月かしぼんで欲しいもの、など月によって良い願いがあります。

また、願いが叶ったイメージを持つ事も良いです。その時の自分も、しっかりとイメージしましょう。

 

小さな願い事に焦点を当てる。

そして叶っている事を認識して喜ぶ。

これらが心地良く満たされた日々を作ります。

 

自身が幸せでは無い、と感じている人におすすめしたいです。

『竹中先生、「お金」について本音を話していいですか?』堀江貴文 竹中平蔵

 

竹中先生、「お金」について本音を話していいですか?

竹中先生、「お金」について本音を話していいですか?

 

 

 

お金とは、何かをするためのツールである。

究極的にはなくなってもいいツールだ。

 

お金について、社会について、日本について、東京オリンピックについて、ダイバーシティについて、堀江貴文さんと竹中平蔵さんで行なった討論が書籍化されたものである。

 

スマートフォンは、電話機能のついたパソコンである。

それを誰でもいつでも持ち歩いている。

そのためいろいろなことができるようになっている。

送金等のお金の決済。

今後は、電車に乗ったり飛行機に乗ったりコンビニで買い物したりなど全てスマートフォンで済ませられるようになっていきます。

 

地方がどんどん自由にいろいろなことをやっていった方が良いです。

国も実際にそういうふうにすることを推奨しているが、地方の首長がそれに反対しています。

一般人たちの税金支払い割合は、3分の2を国に払っています。そして、残り3分の1を地方に払っています。

ところが、実際には国が3分の1を使い、地方が3分の2を使っています。

その差額分は国から地方に移転しています。

これは、すべては市長や議員が責任を取りたくないからです。

保育所等は民間にやってもらっても問題は無いのですが、それを地方が規制しています。

墓地を作るのも同様です。

既得権益者が、規制緩和に反対しているという図が見えてきます。

 

外国人が日本の土地を買うことについて、否定的な意見がある。

良い値段で買って土地をしっかりメンテナンスしてもらえば、それはとても良い事だと考えられる。

移民も容認した方が良い。

日本の人口はどんどん減っている。

 

みんなお金について考えすぎている気がする。

信用や価値を可視化したものに過ぎない。

媒介として必要だが、増やすだけでは意味がない。それをどう使うかが重要である。

お金を稼ぐ方法は二つあります。労働所得と資本所得です。本来はどちらも尊いけど、労働所得の方が尊いと考えられがちです。

 

日本の貯蓄率はとても低くなってきています。

しかもそのほとんどが貯金に回っていて、投資はほとんどされていません。

 

そろそろ日本人も、お金について、また働き方について、しっかり考えるべきなのでは無いでしょうか?

本書は多方面でそれらについて、学んだり気づいたり出来ます。

投資をしていない人や、楽しくないと思いながら仕事をしている人は、是非この本を読んでみて下さい。

『大人の文章術』枻出版

 

大人の文章術

大人の文章術

 

 

 

多くの大人は、メールで文章を読んだり書いたりする機会があると思います。

読みにくかったり、子どもっぽさを感じさせる文章もあれば、理路整然としていて分かりやすい文章もあります。

つまり、文章にその人がどんな人か現れます。また読む側も、文章で相手を評価します。そしてさらに恐ろしいことに、文章は場合によりますが、いつまでも残ります。

 

文章は短く。

序論、、本論、結論の3つを書く。

起承転結の構成にする。

といかけたり、意外な事実を書いたり、導入の部分で読者を惹きつける。

話言葉は使わない。

漢字を使いすぎない。

尊敬語と謙譲語を正しく使う。

てにをはを正しく使う。

主語と述語かみ合わせる。

句読点や記号を正しく使う。

伝えたいことを簡潔に書く。

具体的な数字を出す、ランキングや希少性を書く、パーセンテージを書く、など数字を活用して説得力を持たせる。

具体的なエピソードを書く。

書く前に何が必要かをまとめておく。

 

どれも言われてみたら当たり前のことです。

できれば自分の書いた文章を読み直したほうがよい。それもある程度の時間を置いてから、というのも聞いたことがあります。

それは本書に書かれているような、てにをはの間違いや尊敬語、謙譲語の間違いに気づくためなのだと思います。

 

大人の文章が書ければ、読む相手の為にもなります。

この本は、すべての人が読むと良いかもしれません。

なぜなら大人の文章術は、相手の為になる事だからです。

 

 

『ざんねんな名言集』真山知幸

 

ざんねんな名言集

ざんねんな名言集

 

 

偉人や先人たちの残した言葉。

彼等の業績を思い、考えに触れ、思いを馳せる。

そして、我々の生きる指針にしたり、元気をもらったりする。

名言にはそんな素晴らしい力があり、そんな珠玉の言葉を集めた名言集はを、私はこよなく愛しています。

しかし、この名言集は、そんな一般的なものとは大分違っています。

弱音であったり、悪口であったり、残念な負の言葉を集めています。

 

モーツァルトピカソトルストイ西郷隆盛手塚治虫カフカ、ノーベル、リンカーン伊能忠敬芥川龍之介コロンブスルノアール孔子ナイチンゲール野口英世夏目漱石スタンダール宮沢賢治、カント、ヘミングウェイ上杉謙信チャップリン江戸川乱歩石川啄木…。

目次だけでも、ワクワクして来ます。

残念な言葉を言いそうにない人、いかにも言いそうな人、どちらもいます。

 

「真の友人が見つからないので、高利貸しから金を借りざるをえません」

一体全体、真の友人というのを、どう考えているのでしょうか?

 

「大方の人は途方もないバカだ誰と話せばいいって言うんだ」

頭の良い人はそう感じるかも知れないと、理解は出来ます。

でも、それをここまでストレートに言うのは、中々の根性です。

 

「学校は地獄であった」

現在なら不登校という逃げ道がありますが…。

ただただ、気の毒です。

 

「胃にさしこみのような痛みがありますので、どうか辞めさせて下さい」

ブラックな職場で働いていたようです。

ここから後世に名を残す仕事をするなんて、想像がつきません。

 

「禁欲はけっきょく何にもなりませんでしたよ」

宮沢賢治がそれを言うか?

雨ニモマケズを知っているだけに、物凄く残念です。

 

何かを成し遂げるような偉人は、作曲なら作曲、政治なら政治、発明なら発明、というように、ほとんど自身の全ての能力をそちらに傾け

てしまうような気がします。

その結果、日常の生活では残念な人になってしまう。

そんな偉人たちが、上手く行かない日々につい漏らした名言集です。

 

最近笑っていない人には是非おすすめしたいです。