愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『新宿二丁目ウリセン物語』

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ウリセンとはウリセンバーで働くボーイを指す言葉です。

店内に入ってきた客は、ズラリと並んだボーイの中から気に入った男の子を選んで、テーブルにつけます。

一緒に飲んでお話がまとまったら、お店の外へ連れ出せます。

それもショート、ロングなど、時間で正確に値段が決まっています。

 

同じ日本の中でこんなところがあるなんて、驚愕しました。

さすが新宿二丁目です。

しかし、さらにびっくりした事実は、ボーイのほとんどは恋愛対象が普通の女性だと言う事です。

つまり、ボーイたちはお金のために、好きでも無いというかそもそも恋愛対象でも無い男性にカラダを売っているのです。

 

この本には、たくさんのボーイのエピソードが出て来ます。本当に様々な人が出て来ます。

また、お客さんも同様です。

読んでいると、男性同士という気がしなくなって来ます。

 

最後まで、誰にも感情移入は出来ませんでしたが、とても多くを学ぶ事が出来ました。

なかなか自分では経験し得ない世界を垣間見れて、大変満足しました。

一番に感じたのは、お金のためにやりたく無いことをやらなければいけないのは、間違っているという事です。

 

ちなみに二十代後半を過ぎると、お客さんがつかないため、ボーイとして働くのは難しいそうです。