愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『筆談ホステス』

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耳が不自由な、という事は言葉も不自由な主人公が、ホステスとして働きます。

さらには銀座のクラブでナンバーワンに登りつめていきます。

 

本文中に、仕事中に実際にやりとりしたのと同じ、直筆の文章が登場します。

まずは、その字の綺麗さと言葉の丁寧さに舌を巻きます。

話している言葉に置き換えると、声が綺麗だという事になるのでしょうか。

言葉使いの丁寧さはどちらにも共通するところでしょうね。

 

お触りをしてくるお客さんへの対応や、アフターや、同伴をどうしたら良いか、などについても言及されています。

 

読み始め前は、一体どうやって接客をするのだろう?とハラハラしていたのですが、意外に普通なんだな、と妙に感心しました。

筆談だと、密談をしているみたいだと主人公は書いています。

時によっては、普通に話すよりもそれが良いみたいだと。

 

男女の機微について考えさせられました。

何かでネガティブになっている人には是非おすすめしたい本です。