愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

やっと笑ったのはチョコミントドリンクを飲んだ瞬間だった

今週のお題「チョコミント

 

結婚生活も長くなると、なかなか上手く行かない時期も来てしまうらしい。

ウチの奥さんはまさにそんな時期だった。

小学生と保育園児の二人の娘を育てて、それぞれの役員をして、家事をして、仕事をして、若い頃とは違って何だか体が痛くなったりして。

長女の成績が伸びなかったり、次女がすぐにカンシャクを爆発させたり、わがままをいう父兄がいたり、嫌いなクモが洗濯物を干す場所に巣を作りかけたり、とにかく苦労が絶えない。

そして、あまり笑わなくなって、辛いという事を頻繁に言うようになった。

場合によっては、聞いているこちらまで辛くなってしまうような事も。

なんとか元気になってもらおうと思って、様々な事をしてみるけれど、元来不器用な私はかえって彼女をイライラさせてしまったりしていた。

そんな時に、買い物先でチョコミントドリンクという物を見つけた。

彼女の好きな味なので「買っていこうか?」と聞いたら「ドリンクって微妙じゃない?」という答えが返ってきた。

確かに、アイスやチョコレートと違って、珍しいからチャレンジングではある。

それでも折角みつけたから買って帰った。

買っては見たもののなんとなく美味しくないかも、という不安もあって手が伸びずにいた。

数日後、夫婦二人になる時間が不意に出来た。

ちょっと飲んでみようか?と言って、二人で飲んでみたら、しっかり美味しかった。

彼女は久しぶりに見るくらいの笑顔だった。

そんな表情を見て、本当に買ってよかったと思った。

ささやかだけど幸せな味だった。