愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』神田桂一 菊池良

 

もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら

もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら

 

 

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カップ焼きそば。

包装を解き、かやくとソースを取り出す。

かやくの袋を破って中味を入れる。

お湯を沸かして入れる。

五分間たったら、慎重に湯切りをする。

ソースを絡めて箸でかき混ぜる。

食べる。

 

たったこれだけの事を、もしも様々な作家が書いたら、という視点で、様々な作家に成り切って、というか成り切った風にひたすら書いてあります。

帯にも書いてあるが、兎に角下らないです。

しかし、笑えます。

帯には馬鹿だから泣けてくる、と書いてありますが。

 

芥川龍之介が書いたら。

羅生門風。つい最近原作を読んだばかりなので、息を飲むような雰囲気が思い出されつつ、それがカップ焼きそばを作るという行為で台無しにされていく。

 

星野源が書いたら。

カップ焼きそばでは無く、むしろカップ茹でそばだろうという言い回し。

実際にありそうで、良いです。

 

さらにはイラストがあります。

田中圭一さんが、もしも青木雄二川端康成を描いたら、などを描いています。

ナニワ金融道カバチタレがまざまざと目に浮かびます。

これらのページも秀逸です。

 

知っている作家が多いほど楽しみやすい作品なので、雑多に本を読んでいる人にオススメです。

さらには、漫画も雑多に読んでいると、なお楽しめるはずです。

一つ残念な事は、この本を読んでも得る物は少ないかも知れません。

息抜きで笑うのに丁度良いです。

まあ、真面目に読む人はいないと思いますが。