愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『つくもがみ貸します』畠中恵

 

つくもがみ貸します (角川文庫)

つくもがみ貸します (角川文庫)

 

 

 

家具や小物などが、作られてから100年経つと、付喪神と呼ばれる存在に昇格します。

自分の意思を持ち、言葉を喋るようになるのです。

 

江戸で布団や小物などを貸し出す商いをしている姉弟がいます。

そこの商売道具の中には、付喪神がたくさん。

気がつくと、付喪神同士で自由におしゃべりを始めます。

姉弟とは話さないようにしてくれているのですが、来客があるあるのに話し始めることがあるから、大変です。

変な噂が出て商売に差し障りがあるといけないので、姉弟は話し始めた付喪神を叩いたりして、何とか誤魔化さなければなりません。

また、口さがない付喪神に言いたい事を言われて、カリカリしてしまったり。

やはりガツンと叩いたり、投げたりします。

一応、神と名前のついているものを結構雑に扱っているので、読んでいて多少ハラハラしますが、姉弟付喪神はそれで良い関係なのでしょうね。

 

それにしても、付喪神は聞くことが出来て、話すことが出来ます。

言って見れば、自分の意思で話す盗聴器のようなものです。

そう考えると、恐ろしいですね。

もしも江戸時代に盗聴器があったら、というお話なのかも知れませんね。