愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『誰でも勝てる!完全ケンカマニュアル』林悦道

 

増補版 誰でも勝てる! 完全「ケンカ」マニュアル (BUDO‐RA BOOKS)

増補版 誰でも勝てる! 完全「ケンカ」マニュアル (BUDO‐RA BOOKS)

 

 

 

ケンカなんて、普通に暮らしていたらする事は無いですよね。

私も同じで、本気のケンカなんて数十年もの間していません。

それだって、子ども同士の多少鼻血が出たり、青タンが出来る程度で済むようなものです。

 

しかし、最初に出てくるケンカ力(りょく)検定を見ると、それはたまたま運が良かったけど、もしもに備えてケンカ力を身につけておくのに越した事は無い、という気がしてきます。

女性が夜道を歩いているときに、後ろから一定の距離で男性がついて歩いてくるような気がしたら、どうしますか?

正解は、走って逃げる、でした。

もしも相手が暴漢だったら、それ以外に正解はないかも知れませんね。納得です。 

女性と一緒に居酒屋にいるときに、他の男性グループ同士がケンカを始めそうになったら?

帰宅時に三人組にオヤジ狩りにあったら?

 

ケンカ術と格闘術は全くの別物です。

格闘術の心得がある著者が、職場にいるケンカ術の達人には、あっという間にひっくり返されてしまいます。

また、弱いと思われていた人が、ヤクザ相手にスコップを構えて一歩も引かず、撃退します。

ケンカ術では、金的や武器を効果的に使うのが基本です。

また、地面や壁や植え込みの段差など、環境にある物を武器として使うのも、ケンカ術で上達する秘訣です。

殴るより、相手の頭を壁に打ち付けた方が威力もあり、自分も怪我をしにくいというメリットがあります。

 

ところで、階段で戦う場合はどちらが有利でしょうか?

通常は、上にいる方が戦いやすい、と考えるのではないでしょうか。

しかしケンカ術では、そうとは限りません。

上にいる者がやりがちなキックをしてくる足を掴んで、さらにもう片方の足を責めれば、簡単に相手を倒せます。

このように、ケンカ術は創意工夫の術でもあり、目からウロコのアイデアが色々出てきます。著者は知人とともに、こういうシチュエーションで襲われたらどうするかを考えあう、という遊びをしたりして、ケンカ力を鍛えます。

 

最後の方に、痴漢と間違えられた時の対処法なども書いてあります。

本書では、いつでも何があっても対処する心構えが大事だと教わりました。

自信を持ちたい、という人にはオススメしておきたい一冊です。